>ストループ効果や視線計測を使った言語心理学の研究から、バイリンガルはひとつの言語を使っているとき、もうひとつの言語プロセスを停止しているのかという疑問にどのような答えが得られるかを考えてみた。この問題は、ストループ効果以外にもいくつか実験手法を用いて研究がなされており、近年の研究を総合すると、一方の言語システムが活動を停止してしまうのではなく、言語処理の早い段階(約三〇〇ミリ秒以内)で同時並行的にアクセスされるという考えを支持する結果となっている。