自己組織化
self organization
環境からの刺激に対する微視的な反応の連続が巨視的には全く異なる独自の性質を生み出す
> 生物膜の形成: リン脂質などの分子が水中で自然に二重層を形成し、細胞膜を形成します。
> 微生物コロニーのパターン形成: 細菌などの微生物が集団で成長する際に、栄養素の濃度勾配に応じて複雑なパターンを形成します。
> 動物の群れの動き: 鳥の群れや魚の群れが、個々の動物間の簡単な相互作用ルールに基づいて複雑な集団動作を示します。
> 砂丘の形成: 風の作用により砂粒が集まり、特定の形状の砂丘を形成します。
> 化学発光: 化学反応によって生じる光は、特定の条件下で規則正しいパルスや波を形成することがあります。
> 局所的な相互作用: 自己組織化システムの基本的な特徴は、その構成要素間の局所的な相互作用です。これらの相互作用は、しばしば単純ですが、集合的には複雑なパターンや構造を生み出します。
> 全体的な秩序の出現: 個々の要素の相互作用が積み重なることで、全体としての秩序や構造が生じます。この秩序は通常、外部からの明示的な指導や制御なしに自然に形成されます。
> フィードバックループ: 正のフィードバック(増幅効果)や負のフィードバック(抑制効果)などのフィードバックメカニズムがしばしば存在し、システムの自己調節を可能にします。
> ダイナミックな平衡: 多くの自己組織化システムは、外部条件の変化に応じてその構造を変えることができる動的な平衡状態にあります。
> 非線形性: 自己組織化プロセスはしばしば非線形の特性を持ち、小さな変化が大きな結果を引き起こすことがあります。
> エネルギーの流れ: システムが自己組織化を維持するためには、エネルギーの流れや物質の交換が必要です。これはオープンシステムの特性であり、環境との間でエネルギーが交換されることを意味します。
>非平衡での研究に大きな業績をあげ、新しい熱力学を開拓して1977年のノーベル化学賞を受賞した化学者・物理学者であるイリヤ・プリゴジン(I.Prigogine)は、特に「動的」な秩序化が起こる非平衡開放系を「散逸系」とよび、散逸系での秩序形成を「自己組織化(self-organize,self-organization)」と定義した一方で、平衡系で起きる「静的」な秩序化のことを「自己集合(self-assemble,self-assembling)」と定義して、自己組織化と区別した。
> とくに注目すべきことは、「静的」な秩序化というのは局所的な化学結合が大きな原動力となっており、秩序化は短距離的な相関しか持っていない。例えば、化学結合の影響が及ぶ距離というのは数Åから遠くても数nm程度である。それに対し、「動的」な秩序化では空間全体に長距離的な相関が見られ、場合によっては巨視的なスケールでパターン形成が起こることもある。
> 非平衡での研究に大きな業績をあげ、新しい熱力学を切り開いていったノーベル化学者プリゴジン(I.Prigogine)は、とくに「動的」な秩序化が起こる非平衡開放系を「散逸系」とよび、散逸系での秩序形成を「自己組織化(self-organize,self-organization)」と定義した。一方、平衡系で起きる「静的」な秩序化のことを「自己集合(self-assemble,self-assembling)」と定義して、自己組織化と区別した。
>能動的自己組織化はエネルギーや物質の供給がある、いわゆる開放系(非平衡系)で起こる自己組織化です。能動的自己組織化では、構成要素は常にエネルギーを消費しながら、多用な集合体を形成します。これらの集合体には、個々の構成要素の足し合わせでは考えられない機能(創発機能)が見られます。例えば、特定のリズムで起こる振動現象や、外部刺激などに応じた構造の最適化(自律応答性)、集合体内の一部が欠損しても他の構成要素が欠損部位を補う(自己修復)などの優れた特徴を持ちます。雲や生物に至るまで自然界の多くのものが、この能動的自己組織化によって形成されています。
>受動的自己組織化はエネルギーや物質の出入りがない、いわゆる閉鎖系(平衡系)で起こる自己組織化です。この系では初期条件に応じて、熱力学的に安定な構造が形成されます。受動的自己組織化の例としては、結晶やミセル、液晶などが挙げられます。
能動的自己組織化と受動的自己組織化
自己組織化って何ですか?
>「Googleは金を持っている上に、社員が優秀で、勝手に働くから、管理など必要なく、従業員に優しくできる」
「金を持ってて」「優秀な人がたくさんいる」会社の仕組みやルールは、普通の会社にはまったく参考にならない。
>富裕層の知り合いに聞いた話。何十人もお手伝いさんを雇ってきて、良かれとおもって休憩時間/食事/給与などの待遇を良くしたら、仕事が雑になり不平不満も多くなった。反対に厳格なルールに則るほど仕事が丁寧かつ不平不満がなくなるとか。この傾向は、強い組織づくりにおいての本質と極めて似てる。
ヒエラルキーも常に人工的に作られるとは限らない人々の無我夢中の活動によって生じる場合もある
自己組織化は現象であり常に人類を味方するとは限らない
参考
さまざまな自己組織化とその工学的応用
自己組織化とオートポイエーシスの差異
組織の自己組織化
自己組織化の程度
・すでにあるプロセスを回すだけ
・既にあるプロセスを改善できる