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プロスペクト理論
Prospect theory

確率の評価
>ある事柄の起こる確率を聞いた時、それを字義通り受け取るわけではない。たとえば、くじの当たりが一〇〇〇分の一の確率であることを聞いた時、まず絶対に当たらないと言ってくじをやめるわけではない。こうした心理の延長に宝くじの購入がある。また手術の成功率は九九パーセントと言われた時に何も考えずに手術を受けるというわけではなく、残りの一パーセントがとても気になり、不安に襲われることもある。つまり低い確率は高めに、高い確率は低めに見積もる傾向がある。

基準点
>タクシーのメータが一万円から一万一〇〇円にあがっても何も気にならないが、九〇〇円から一〇〇〇円に上がるとやや気になる。つまり同じ金額でも出発点=参照点が異なると価値が変わってくる。パチンコなどで負けが込んでくると、どんどんお金を使ってしまうのはこんなところにある。

損失の評価
>最後のバイアスは損失の評価に関わるものである。自分が一万円で買ったシャツが別の店で五〇〇〇円で売られていた場合と、その逆の場合(五〇〇〇円で買ったものが一万円で売られていた)を考えてみよう。前者のがっかりの度合い、後者の喜びの度合いの絶対値は等しいだろうか。多くの人は高いものを買ってしまった悔しさを大きく感じる。


参考

論文
Kahneman, Daniel, and Amos Tversky (1979) "Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk", Econometrica, XLVII (1979), 263-291. http://www.princeton.edu/~kahneman/docs/Publications/prospect_theory.pdf

出典