3つの支援推奨アルゴリズム
「
支援制度捕捉率100%」──つまり、本来受けられる支援制度をすべて漏れなく案内・適用するための推奨アルゴリズムについてo1pro
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とブレストしたのでメモ
結論:
使えるアプローチは3つ(ルールベース/
統計的モデル/
機械学習モデル)ある。ただし100%を目指すためには、それぞれ補完しながら社会実装を進める必要がある。
キーワード:
1. ルールベース
人が決めたルール(
法令やガイドライン、専門家の知識など)を“そのまま”明文化してコード化
(if-then形式例:「○○の要件を満たす人は、▲▲という支援の対象になる」)
利用データと作成プロセス
明文化された要件
行政・福祉などの公式ドキュメント
「所得が○円以下かどうか」「世帯人数はいくつか」などの明確な項目。
専門家の知識
「○○という症状があるなら医療ケアが必要」「●●の家族構成なら優先的な支援が必要」といったルール。
実装
これらのデータ(テキスト情報やチェックリスト)をプログラムのif文などに変換して実装。
データ駆動。
行政がシステム内で所有する数値データ・属性情報だけで完結できるケース
法律・条例に定められたシンプルな数字や事実関係などの要件で判断
例:住民基本台帳による住所、世帯構成、課税データ、マイナンバー連携で取得できる健康保険情報・年金記録など
データ駆動。数字だけで判定可能。自動判定しやすい。
評価駆動型。
数値や書類上の条件だけでなく、人間による個別的な状況判断・評価が必要ケース(介護、障害福祉、DV支援など)
一定の基準のもと専門家が状況評価を行うもの
医療:診断基準+医師の所見
福祉:アセスメント+ケアマネージャーなどの評価
専門家のアセスメント結果+行政データで支援を判定
【強み】
説明可能性の高さ
結果が「どのルールに合致したか」で決まるため、「なぜそうなるのか」を人間が即座に説明できる。
「法律やガイドラインがしっかり定義されていて、その適用を判定したい」という場面で力を発揮。
誤判定リスクの低減(定義済みの範囲内では)
法令やガイドライン通りに動くため、定義範囲内では一貫性が保たれる。
【弱み】
メンテコストの高さ
法改正や追加要件が出るたびにif-thenルールを追加・修正しなければならない。
未知なパターン
「ルールで定義されていない例外」を発見・考慮するのは難しい。
複雑なケースに弱い
複雑化するとルールの維持管理が大変になる。
古典的な統計学(回帰分析、時系列分析など)に基づき、データからパラメータ(係数)を推定する。線形回帰やロジスティック回帰といった手法では、「従属変数(ターゲット)と独立変数(特徴量)の関係」を数式化する。
利用データと作成プロセス
数値データ(表形式)
例:世帯ごとの「月収」「家族人数」「生活費」などを縦横のテーブルで管理。
過去の実績データ
例:支援制度を受けた/受けなかった、破綻した/しなかった、などの結果ラベル。
統計分析ソフト/ライブラリで回帰モデルを作成
係数を推定 → モデルの妥当性を検定 → 予測・判定に使用。
【強み】
比較的少ない変数でも解析可能
10~20項目程度のデータでも、十分に有用なモデルを作れる場合がある。
解釈しやすい(因果関係の推測がしやすい)
「この係数がプラスだから支援リスクが高くなる」「マイナスだから影響は低下する」など、モデルの意味が明確。
【弱み】
データの統計的前提条件が厳しい(線形性、独立性、正規分布など)
データが前提に合っていないと精度が下がり、誤った結論になるリスク。
線形回帰やロジスティック回帰では、複雑な相互作用を捉えづらい。
画像やテキストなどの非構造データには不向き
数値化しにくいデータを扱うには追加の工夫が必要。
事例:
アルゴリズムが大量・多様なデータから自動でパターンを学習する方式
ディープラーニング、ランダムフォレスト、XGBoostなど
利用データと作成プロセス
大量のデータ(ビッグデータ)
数値だけでなく、文章、画像、音声、GPS情報、クリックログなども含む。
教師あり学習・教師なし学習
教師あり:過去に「正解(ラベル)」が付与された大量の実績データ。
教師なし:正解ラベルがなく、クラスタリングなどでパターンを発見。
モデルの学習と評価
トレーニングデータで学習 → 検証用データでチューニング → テストデータで最終評価。
【強み】
統計モデルでは難しい高度な相互作用まで学習可能。
音声など多様なメディアに対応
例:SNS投稿から感情分析、写真から物体検知など。
未知のパターンや潜在的な特徴を発見しやすい
専門家も気づかないような複合的要因を自動で抽出できる。
【弱み】
大量の学習データが必要
データが不足すると過学習や精度低下が起こりやすい。
ブラックボックス化
学習データに偏りがあると差別的・不公平な結果を出すリスクがあり、解釈手法の確立が必要
事例
モデルを
統計モデルからランダムフォレストやGradient Boostingに切り替えて、より高精度なリスクスコアリングを開始。
家族構成や行政サービスの利用履歴だけでなく、より多くのデータソースを取り込んで「支援が必要な家庭」を早期発見。
>生活保護や税制優遇などを不正受給していないかを機械学習でスクリーニングしようとしたプロジェクト。
> 一方で、個人情報の取り扱いや差別的バイアスが問題になり、中止に追い込まれた。
> 「社会保障領域で機械学習を使うリスク(プライバシーや偏見)」が国民的議論になった例。
まとめ
> 「法律や規則をコンピュータに教えてあげる」イメージ。
> 「過去のデータから、数式で『支援が必要になる確率』を予測する」手法。
> 「ものすごくたくさんのデータを読み込ませて、コンピュータが自動で隠れたルールを見つけてくれる」手法。
> 世界の先進事例を見ると、それぞれ得意・不得意があるので、組み合わせて使われ始めています。どれも「100%捕捉」に到達するには課題があり、日々試行錯誤が続けられているところです。