generated at
RoamとScrapbox
Roamというサービスがかなりよい。
WikiっぽいのでScrapboxと比較してみた。
(追記) DAILY NOTESを触っていたら、Wikiというよりアウトライナー+Wiki、といった感覚になった。
30分くらい使ってみて気になった部分だけ書き出してみる。
他にも面白いところがたくさんあるかも。
まとまっていないので、あとで整理したい。

Roamの概要
日記(DAILY NOTES)とWikiアウトライナーが組み合わさったもの。
DAILY NOTESで、Wikiだけれどもページを作成せずに書き始められる。
Wikiなので、タイトルで情報をまとめていける。
本文エディタがアウトライナーなので、本文の整理が楽。
他のページとの間での行き来や、ページ間でのテキストの移動やコピーが楽になる仕組みが入っている。

ScrapboxRoamで共通している・似ているところ
編集ボタンや保存ボタンが無い。クリックすればすぐに編集できる。
リンク記法を使おうとすると、既存リンクをサジェストしてくれる。
既存テキストを範囲選択してから、 [ をタイプするとリンクにしてくれる。
記法の違いにより
Scrapboxは1回 [
Roamは2回 [[
リンク先のページタイトルを変更すると、リンク元の文中リンクも書き換わる。
同じページを別タブで開いておいても、すぐ自動的に反映される。
ページタイトルを既存のページと同じにすると、マージするか聞いてくる。
検索して見つからなかったら、その名前でページ作成できる。
ただし、2020/01/22(水)時点ではRoamは日本語入力に若干の難あり。
検索ボックスでenterによって日本語入力の変換確定をすると、新規ページ作成になってしまう。
「本日は晴天なり」というページを検索しようとして
「ほんじつは」→「本日は」で変換確定すると
「本日は」で新規ページ作成してしまう。
画像を表示できる。
画像はURLさえ分かればログインしていなくても誰でも閲覧できる。

ScrapboxとRoamのポイント
Scrapboxのポイント
いい所
コードブロックのシンタックスハイライト
共同編集できる
モバイルで使える
Roamのポイント
いい所
タイトルを決めずにページも作らずに書き始められる。
エディタがアウトライナーになっている
インデント・アンインデント
tab , shift+tab
子ノードもまとめて操作できる。
ブロックの入れ替え
command+shift+arrow-up(or arrow-down)
ブロックの折りたたみ・展開
command+arrow-up(or arrow-down)
ズームイン・ズームアウト
command+, , command+.
逆方向リンク(Reference to)がある
そのページにリンクしている他のページを辿れる。
逆方向リンクでUnlinked Reference to(リンクされていないけれど参照されている)も表示できる
自動で、現在のページ名に全文検索してヒットした箇所をリストにしてくれる。
Wikiに対してよく「自動リンクして欲しい」といった要望が出ることがあるのは、このあたりが関係している。
該当箇所をワンクリックでリンクにできる。
該当箇所すべてがリンクになるのではなく、個々のテキストに対して別個にクリックしてリンクにする。
すべてがリンクになるわけではない、という点はすごく重要。
自動リンクじゃダメ。
そのテキストをリンクにするという行動は、人間が意思を込めるからこそ意味がある。
DAILY NOTESUnlinked Reference toを組み合わせると強力。
以下のようなワークフローがスムーズに運用できる。
DAILY NOTESでまずテキスト化だけする。
ページを新規作成する必要すらない。
必要に応じてアウトライナーで構造化する。
ひとまとまりにできる部分があったらページに切り出す。
日をまたいで以前にも同じ話題があったと思う時には、その名前でページを作ると、該当箇所をDAILY NOTESからも探し出してくれる。
Scrapboxだと忙しい時につらい時があるfoldrr
空タイトルでもページは作れるが、「今日のページ」といった仕組みは無い。
他人から同時並行的に無関係な別々の事柄を聞かされて整理・理解しなければならない状況がある。
この状況が1日のうち1〜2時間おきに何度も起きる。
都度、新規ページを作成していると「今日のページ」が複数できる。
すでに「今日のページ」を作った記憶があればいいのだけれど。
そんな記憶も消えるほど目まぐるしい時が多い。
複数の「今日のページ」間で同じ話題としてまとめて別ページとして切り出したいことがよくある。
Roamだと、非連続の時間帯によって今日が分断されない。
ページ下部のReference toから、その場でリンク先のテキストを編集できる。
リンク先のバレットポイントをドラッグして、表示しているページに移動できる。
他の特徴
チェックボックス( {{[[TODO]]}} )やスライダー( {{[[slider]]}} )が使える。
ただし、テキストとしてコピーしてもチェック状態やスライダーの値はコピーされない。
チェック状態は command+enter でも切り替わる
チェックボックスなし
チェックボックスありチェックなし
チェックボックスありチェックあり
スライダーは10段階のみ。
使い所がよくわからないfoldrr
ページだけでなくブロックもリンクできる。
ブロックとはアウトライナーの1行分に相当するもののこと。Roamではブロックと呼んでいる。
ブロック毎に版管理できて引用時に版を認識している
引用後にブロックが書き換えられて意味がおかしくなる、といったことが起きないようにできる。
ページ間のリンクをビジュアル表示できる。
リンクの増加とともに毛玉問題によって機能しなくなるのではないか?foldrr
上の図で、例えばノードが10000超えた状態を見たら、見れるけどそれ以上になにかできることはあるか?foldrr
こうなっていたらもっといい所
本文
日本語入力がオンの状態で鉤括弧や丸括弧を入力すると、記法と勘違いされてカッコが補完されてしまう。
Chromeの設定画面が開いてしまう時がある。
以下の時に command+, を押すと
トップレベルを表示している時に
編集モードではない時に
Scrapboxのように
本文
大括弧1つでリンクになって欲しい。
リンクの大括弧を表示するのは編集中だけにして欲しい。
テーブル記法が欲しい。
選択範囲をページに切り出す機能が欲しい。
アップロードした画像を削除できるようにして欲しい。
URLさえ分かれば誰でも見えるので、間違えてアップロードした時にやっかい。
Scrapboxなら画像アップロード先はGyazoなので消せる。
サイドバー
サイドバーに複数のページを表示している時にページの並び順を入れ替えたい。
ページだけでなくブロックもサイドバーに表示したい。
共同編集が欲しい。
モバイルで使いたい。
2020/01/22(水)時点では表示はできるものの、リンククリックや編集に難あり。

人によってはScrapboxよりもハマるかもしれない
タイトルを考えるのが苦手な人
とりあえず日記を付けてキーワードをリンクにしていけば、日記がWikiを育てるキッカケになっていく。
エディタがアウトライナーになっているのがいいfoldrr
DAILY NOTESが個人的にニッチな部分で刺さったfoldrr
時系列を軸にして記憶を掘り返さなくてはならない時がある。
自分で時系列から掘り返すことはまずない。覚えていないので。
他人で「先週の(全然違う話)◯◯の時に話をした(また全然違う話)××の件さー」と言ってくる人間がいる。
個人的な部分だとしてもニッチすぎる……。
どちらを使うかと言うとScrapboxだけれど併用するならアウトライナー代替になるかもfoldrr
排他的に使うならScrapboxを選ぶ。
Roamで感じた便利さの一部は、ScrapboxでもUserScriptで対応できそうなので。
Scrapboxが持っているすごいところはRoamには無い。
併用するならScrapbox+Roamがよさそう。
アウトライナーで書いてScrapboxに載せる流れの初期段階の部分をRoamで。
と思ったけどRoamは多機能すぎてしんどい。WorkFlowyやDynalistの方が気楽。

以下メモfoldrr
このページはRoamで書いて、Scrapboxに合うようにリンク記法を置換した。
Scrapboxは大括弧1つなので楽。大括弧2つは手間。
でもRoamはアウトライナーが使える、特に折りたたみ機能はとても快適。
日常的に自分が考えるために使っているもの
以前はWorkflowy、今はDynalistを使っている。
Scrapboxだけでは完結しない。
内容を考える時にScrapboxだけだと難しい時がある。
関係はネットワークで内容はツリーで表現したい。
ページ間の関係はネットワークにしておきたい。
けど、本文はツリーとして書いて考えたい。
テキストを書く瞬間は叙述的、テキストを整理した結果は宣言的になる。
テキストを整理する段階でアウトライナーの機能が重要。
Scrapboxのエディタ部分はアウトライナーというよりテキストエディタに近い。
アウトライナーとしての機能が控えめ
ツリー構造としてテキスト操作が少し煩雑。
option+矢印で操作できるけれども、tabとshift+tab、command+shift+矢印上下左右で操作したい。
アウトライナーとしての機能が無い
折りたたみしたい。
ズームしたい。
Roamをタスク管理に使うと想定すると
自分がタスク管理にアウトライナーを使っている理由とRoamのDAILY NOTESには共通点がある。
アウトライナーがもたらす利点
構造的に中途半端な状態・壊れている状態を保持できる
自分はタスク管理にもタスク管理アプリではなくアウトライナーを使っている
その理由は大きく2つ
タスク管理アプリはタスクを管理できても考えることができない。
アウトライナーはタスク管理アプリの枠に収まらない、整理できていない状況、壊れている状態を保持できる。
壊れているとか途中の状態といった、中途半端に見えるものを中途半端なまま扱えるかどうかが重要。
RoamDAILY NOTESUnlinked Reference toの組み合わせは、Wikiページとして独立するまでの中途半端な状態をシステムが許容している
ページとして独立する前の日々のログとしてのみ存在する状態から、
ページとして独立するまでの間にある断絶をゆるやかな曲線へと変えてくれる。
さらにRoamは時間経過によって整理されていくまでの間を緩やかにしてくれている。
DAILY NOTESによってまずは書き出し、
Reference to(Unlinked Reference to)によって日々の書き出しを少しずつ整理し、
整理した結果はWikiとして蓄積されていく。
これらの段階を跨っていく時に、まとまった時間を設けて「えいやっ」と一息で崖を飛び越える必要が無い。
でもやっぱりScrapboxが好き。
2ホップリンクが異彩を放っている。
ページとページの間をリンクで飛び回っている感覚が楽しい。