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逆算思考は、順算思考より優れているのか

2024年になっても、「結果を出すには逆算思考を」という主張が根強い人気だ。

学校教育や世論、ビジネス書では、順算思考(ボトムアップ思考) と 逆算思考(トップダウン思考) は、以下のような扱いが多い。

逆算思考
高い目標を掲げ、目標達成に必要なことを逆算し、綿密な計画を立て、時間を無駄にせず現状に満足することもなく、目標に向かって邁進していくようなマインド
計画性がある、向上心、優等生
大企業志向

順算思考
目標を持たずにただ日々を過ごす、無計画に場当たり的に行動する、現状に満足して今できることしかしようとしない、そんな非生産的で非計画的な行動をもたらすマインド
行き当たりばったり、無計画、気分屋
アウトロー、起業家

このように、順算思考 より逆算思考 の方が優れている。
「志望校合格」「収入アップ」などの明確な目標が決まっていたり、現状を変えたいと強く願う時は、逆算思考が大事、という意見が多数派である。

しかし、今の世の中は「逆算思考」によって計画通りに行動することが大変難しくなってきている。
なぜなら、正解が変わってしまったり、そもそも正解がない問いが多いから。

正解がないか変化していくのだから、逆算のしようがない。
そのような状況で無理に逆算すると、歪みが生じる。
起業直後の事業計画書のように
高校生の頃に建てた人生設計プランのように

完璧を追い求めようとすると、時間ばかり過ぎてしまう。
試行錯誤の上作ったとしても脆弱で、予想外の出来事に弱く、メンテナンスに大きな負荷がかかってしまう。

つまり、逆算思考は順算思考より優れているわけではない。

先の見えない物事に取り組んだり、不確実性が高い正解がない物事に取り組むときは、順算思考を使わなければならない。