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押出しファイリング

野口悠紀雄氏が提唱した、『超整理法』という著書の中で紹介した書類収納法。
一言でいうと「時間順に並べる法則

効果
よく『不要な書類は捨てましょう』と言われるが、問題は『何が不要なのかがわからない』。
しかし、押出しファイリングは、この問題に強力な答えを示した。
新しいファイルと使ったファイルを一番左に置くようにすれば、『左にあるファイル(=最近使ったファイル)』は必要である確率が高く、『右へ移動したファイル(=一定期間使わなかったファイル)』は、いらない確率が高まる。
つまり、よく使うファイルは左の方に集中し、動かない資料やメモなどは、どんどん右へと押しやられる。
必要なものと不要なものがはっきり区別できる

その結果、
書類管理にかかわる精神的コストと時間的コストを大幅に節約できる。


実践
資料を封筒に入れ、新しく作った封筒は左端に入れる。
使った封筒は、もとの位置に戻すのではなく、左端に入れる

具体的には
1. 適当なサイズの封筒をたくさん用意する。
2. 紙資料を封筒の中に入れて、封筒の裏などにペンでタイトルと日付を書く。(2024年3月会議資料 など )
3. キャビネットの一番手前(一般的には左を手前とする)に入れて並べていく。
4. その後参照した封筒は、先頭に戻す。


従来の課題
紙情報は、情報の鮮度や、いつ扱ったかということとは何の関係もなく分類されるのが普通だった。
ごく一般的な分類方式では、内容(カテゴリー)別に情報を分類するのが当たり前だった。
しかし内容別分類というのは、使用頻度や情報の新しさは無視される。
したがって人間の脳の自然な性質からすると、分類されているわりに検索が難しくなる。


時間軸分類が、なぜ有効なのか?
人間のメンタルモデルによく合っているから。

人間の脳は、真新しい情報と、直前にインプットした情報に、注意をひかれるようにできている。
つまり、記憶と時間は密接に関わっている。
注意をひかれるということは、よく覚えているということ。
超整理法では、情報の扱い方が、この脳のやり方にとても近いのです。

つまり、「超」整理法では真新しい情報と、直前に扱っていた情報が、集中的に集まるようになっている。
だから、「あ、あの書類」と思ったときには、最も取り出しやすい位置にそれが来ている、という体験を頻繁にできる。


この分類をすると、どうなるのか?
「あれどこだっけ?」
最近見た気がする
一番近い場所を探す
ずっと昔に見た気がする
一番遠くの場所を探す


限定
めったに使わないファイルはひたすら探すしかないことがデメリット。
また、グループでの利用ではなく、主に個人での利用を想定している


参考文献