駅馬車
【音楽】
【美術】
【製作】ジョン・フォード
【上映時間】99min
特徴
ジョン・ウェインのブレイクのきっかけとなった作品。ここからウェインxフォードは伝説的に売れる。そして、ウェインは「アメリカン・ヒーロー」 のプロトタイプとなる
西部劇というジャンルを超えた重要な作品として長い間認識されている
哲学者のロバート・B・ピピンは、登場人物の集合と彼らの旅の両方が「単に個人的というよりも原型的」であり、この映画は「政治的に意味のある平等の形に対するアメリカの願望の神話的表現」であると述べた
リンゴ(ウェイン)とダラス(トレバー)がモニュメントバレーを経由してニューメキシコ州南西部のローズバーグを出発するエンディング・シーンなど、地理的な不自然さは随所に見られる。
当時は大予算の西部劇は流行っていなかったし、しかもその大作映画にB級役者のジョン・ウェインを起用することになっとくした制作会社はほとんどなかった。最終的には、ウェンジャーが
クレア・トレヴァーの起用を条件に、製作に同意した。
>制作スタッフは、アリゾナ州北東部のカイエンタにある旧CCキャンプに寝泊まりしていた。標高5,700フィート(約1,000m)のこの場所は、常に強風と低温という極端な気象条件であり、撮影時間は長く、スパルタンな環境であった。
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ひえー
オーソン・ウェルズはこの映画が映画作りの完璧な教科書であると主張し、『
市民ケーン』の制作準備のために40回以上観たと主張
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すごいのはわかるけど、そんなにか?
>日本では翌1940年6月19日に封切られた。この作品は、淀川長治がユナイテッド・アーティスツ日本支社の宣伝部勤務になって最初に担当した作品であり、『駅馬車』という邦題を考えたのも淀川である。淀川の宣伝活動はやりすぎだったため、一度は会社をクビになるが、作品が大ヒットしたのでクビは撤回された。また、淀川の活動ぶりはアメリカに報告され、後日淀川に作品の製作者であるウェンジャーからサイン入りの銀時計を贈られた。(『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)191頁。)
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うーん、西部劇って感じだ。
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カラっとあたたかそうでいい感じだ
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医者が追い出されている。アル中だから?
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直接みつめあっているシーンは入っていないけど、へんしゅう編集で見つめ合っているように見える
襲撃予告があるが、乗るかどうか。
婦人は、いまの街でうんざりする目にあっているから早く出たいと、乗ることを決める
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しかし、アル中の医者に絡まれてうっとおしそうな酒屋、いいな。表情でそういう関係性が伝わってくる
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あらあ。たしかに筋骨隆々というのか、パンッとしている。動きもゆったりしていて、まあアメリカ人が憧れそうな雰囲気。
>「反逆戦争 (War of revelion) の後北軍を名誉除隊したときだ」 「南北連邦戦争と言え」
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広大ですてき~
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レディーファーストって知らないのか、と、娼婦を無視しようとした紳士を咎める。娼婦は驚いたようす。
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しかし、護衛がつかないのに強行突破したいとは。みんなワケありってことか。
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所在なさげにしている娼婦に席を用意してやったりもする。キッド以外はマジ? という顔
説明的なセリフが入るわけではないのに、登場人物の関係が画面からうまくわかるようになっている。
医師がアル中であるというのも、会話の中からなんとなくわかっていくという感じだ。
しかし残酷なのは、娼婦をチラ見して、「窓際のほうが涼しいですよ、と暗に離れた席をすすめるギャンブラー。
こんな構図になってしまうから、「脱獄モンには居場所がないなあ」 とキッドは浮いたもの同士、気を使いあっている
ちなみに婦人のほうは
ヴァージニア出身で、プランテーションがさかんだったり大統領が複数出たのもあって、金持ちのイメージ。
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キッドのことはみんななんとなく知っているという設定。狭い世界の田舎という雰囲気なのか。ウワサが流れやすい地域でもあるのだろう (基本的に排他的になる。)
このイヤなクソ田舎的な雰囲気が、序盤から上手かった。
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騎兵隊のハンサム君にハンカチを振って挨拶。婦人に惚れているギャンブラーは複雑そう。
婦人の異変にいちはやく気づいて、心配してやる。だが、婦人のほうは「けっこうよ」 とすげない態度。
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女どうしの友情...ではないけど、娼婦→婦人の、いたわりのようなものが見える。なんというか、なんとなく感づいてそうなんだよな。生理の時にナプキンを忘れたのを気づくみたいな感じで、婦人の妊娠のこと
このあと、紳士のうちの一人が婦人にお水をやるが、また娼婦は無視されかけ、またもやキッドは「もうひとり御婦人がいるけども」 と。そうするとその紳士も案外気さくに水を分けてやる。娼婦と紳士はお互いほほえみあい、キッドの仲介によりだんだん受け入れられてきている感じだ。
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いやだー、風つよい。手綱を取り違えてしまいそう。
婦人のお産をとりしきる娼婦。
宿屋のおかみさんを呼び、医師にも助けを求めるが、リンゴのことはどうやら信頼したのか、手伝いを求める。
なるほどね、ウェインはかなりマスキュリンな外見と、イメージ (まあ脱獄者だし) を持っているが、中性的な位置にいる?
宿屋のおかみはジェロニモ族。インディアンである。人々は「インディアンじゃねえか」 などと差別的な態度を取るが、「怒ると怖いがいいやつだぜ。」 とか「アパッチじゃないから襲われることはないさ」 だとか、宿屋はあくまで妻の味方の立場を崩さずに人々をいなす。
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西部劇ってけっこうマスキュリンで先住民差別的な世界観と思ったけど、被差別者へのその時代なりの温かい視点が入っている
と、おもったけど思ったけど結局妻は馬を荷物を盗んで逃げるの!?!?!?怒怒 なんでそんな展開にしたんだろう。これではまたいたずらに先住民への偏見を助長するだけだろう。
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おー、馬で泳いでいる
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すごいなあ、このあたりのスタントは
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これ、ギャンブラーの腕だけど...婦人に惚れていたはずなのに、銃を向けている?
ちなみにこのあとの「ポーカーの手」 のことものってる。
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カーリーたち、かわいい。馬に石を当てて、馬車を進ませる (リンゴを逃がす。) カーリーと医師は仲良くなって、ふたりで酒。
必要以上に説明的になることなく、人物の関係性をうまく描いているのが素敵だった。
ま、あまりに説明なさすぎて「え、この人の事情なんだっけ」 とかはまあ、なる。とくに最初のほうぜんぜんついていけなかった (リンゴとカーリーの関係、医師とダラスと婦人たちの関係)
スタント...あれで死なないのがすごい笑