嘆きの天使
【美術】
【制作会社】
【編集】
【上映時間】107min
特徴 :
マレーネ・ディートリッヒが見出され、一躍スターになった
スタンバーグの撮った、初の
トーキー映画(と、言われているが、スタンバーグはそれ以前に
サンダーボルトを撮っている)。
「ドイツのブルジョワジーのパロディ」 byスタンバーグ
マレーネの歌唱を通じた、ステレオタイプの否定
主体的な女性像
トーキー化で低迷していたドイツ映画業界が、すでにハリウッドで活躍していたスタンバーグを招いて撮影した。ドイツのトーキーのさきがけ。
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またフォントかわいい
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どの構図もすごくきれい~、だし、屋根がうねうねしているのがいい。
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家がかわいい...
鳥かごの鳥を呼ぶ。が、返事がない。ふしまでつけて口笛を吹いている。鳥をかなりかわいがっていたようだ でも鳥は死んじゃってる
「けっこう前から鳴いてなかったもんね」 と、家政婦はあっさり、焼却炉に投げ入れる。
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先生の目を盗んでカンニングしたりする
テスト? の間、窓をあけると女声の歌。生徒のひとりが見ていたブロマイドを怒って取り上げて窓を閉めると歌声もやむ
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眼鏡のナードっぽい子、どんくさいから落書きの罪をなすりつけられたり、転ばされて荷物にブロマイドを混入され、持ってきたのはこの子だと疑われたりするのだけど...さすがに、先生は気づけよ!
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やっぱりけっこうかわいいセット
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マレーネの歌があるけど、あれは下手じゃないの? ガナって喋っているみたいにしかきこえないけど
"A real man, just a regular man"
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この、目をぐるぐるまわしている女はいったいなんなんだ
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このピエロもいったいなんなんだ笑
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オッサンがずっと若い美人に惹かれるみたいなのは気持ち悪いけど、実際それは織り込み済みという感じだ。マレーネは船長に絡まれるけど、そのときに教授は助けに入って「なんだこいつ、お前のオヤジか?」 なんていっているし、だいぶ滑稽な感じだ
しかも、警察に追われているーみたいなタイミングなのに、生徒を追い回している
どうも、やるべきところがズレているというのか...気をつけるべきところがズレているから、最終的にマレーネに入れ込んだりするんだよな。
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黒人の赤ちゃん人形? なんでだ
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ここには鳥がいる。冒頭、教授自身の家には鳥がいなくなっていた。
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マレーネ。カンプソンほどではないけどたしかに美人と思う。
ニューヨークの波止場の俳優さんも素敵だったけど、この人も素敵。それに比べると、
散り行く花の俳優さんなんかは、どうも幼く見えて苦手 (26歳のはずなんだけど、実際の年にはよらないし) 。キレイとはあまり思えない。当時のアメリカはロリータ趣味なのかなみたいに思ってしまう
クビを覚悟して机の中のなけなしの商売道具を出して...フォーカスアウト
孤独だね~
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うーん、ローラが教授と結婚してしまうのはなぜ?
将来がないのが分かっているから、社会的地位があるひとと結婚したかった?
だって、うすらハゲだし、お父さんと間違われるくらいの年齢だよ?
このあたり、ローラがあまりに都合よく描かれている気がする
途中に出てきた船長がミソなのかな。あの人はローラに言い寄っていたけど、身分の低い身持ち悪い踊り子だと思って、失礼な接し方をしていた。少なくとも教授はそうではなかった「あたしを助けてくれる人なんて始めてよ...」 と言っていたし。巡業の仲間は、船長がお得意様だからへつらって、助けてはくれない。
"uneducated pack!"
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無教養のバカどもめ、みたいな意味か。
客のことを教授 (もうクビになってるが) が悪口言って、興行主もローラも怒る。
興行主は、「こ汚えツラしやがって。ひげくらいそってこい! もう学校のセンセじゃないんだからな...」と。
金と社会的地位のある、教授のうちは優しいというかおべっかで取り入っていたが、文無しになったとたん手の平を返す。
ローラは「無教養のバカどもってなによ。それで飯食ってるくせに。嫌なら出てったらいいじゃないの」
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まあ当然だな。自分たちや、自分たちの客がいつまでも見下されているのは気にくわない。
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キモノみたいなガウン着てる~
4年経った。まじか。
無音の中で、ゆっくりとピエロに着替える元教授。煙草まで吸っている。
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ローラ...随分ガマンしているよね...、興行主に、自分の夫がかなりバカにされているのにまだ一緒にいるんだから。しかも、夫のことをかばっている。やさしい。夫のほうはといえば、いつまでもプライドだけは一丁前だ。
ハンサムガイが言い寄ってくる。
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毛皮のコート!!! すてき~
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しかし、以前暮らしていた街でピエロとして出演しないといけないの、つらいね...
生徒たちも来てるっていうし
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たしかに、老人がピエロなんて、ゾッとするほど笑えないのだけど、ローラはバカにして「出ろ」 って言ったわけではないような気がする。自分たちの仲間に真になってくれるか。そういうところ
ハンサムガイに言い寄られてはいたけど、キスを拒んだし、楽しくはやっていたのだろうけど不貞なシーンはひとつもなかった。
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この表情だけど...
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なんか、卵を割るシーンとか、なんだかいじめみたいでみていて辛い...すごく嫌な気分だ、まあ実際には冒頭にもいじめのシーンがあって、そこをこの教授は見てみぬフリをしたというシーンがまああるにはあるのだけど、かといってちょっとつらいシーンすぎる、精神に悪い...
「お前のような教養人が、あんなおんなのせいで... 正気に戻れ」
以前の同僚? なんか、放心した主人公のもとに人がくる
ラスト、ローラの歌
" I am, from head to foot Made up of love, Because that is all my world and no other!
That is what should I do ...my nature I just cant hold but love or else nothing.
Men swarm all about me like moths around a flame, And if they burn well, you can't blame me for it.
I am, from head to foot made up of love. I just cant hold but love or else nothing."
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からしたら、ローラは理解者ではなかったかもしれないが主人公もローラを理解しなかったし、十分に貞淑な妻だったと思うけどね。主人公は結局、女の為に変わることはできなかったんだし、それに彼女は失望したんだし。
よろよろと、もといたギムナジウムへ...のシーン
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まるでホラーみたいな音楽だ。
老いた主人公はそこで絶命している。
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この手のクローズアップ。教壇に「しがみついている」 。 昔の自分にしがみついたことでの末路ってことなのだろうか?
また、フェードアウト。
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この人の映画は引いてくの好きだね
意味有りげにローラ (マレーネ) の脚を映すシーンが多いんだけど、
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からしたら馬の毛につやがあるかどうかとか、鬣が立派かどうかとおなじくらいにはどうでもいい (違いはあるのだろうが、それは自分にとって意味をなさない) から、マジいらねーシーンだなと思ってみていた。
たくさんはいるローラの歌のシーンはいいかんじ。トーキーだからね。やっぱり。声が入らないとできないことの第一番は歌とおもうし。
ギムナジウムが出てくるのもドイツっぽくてたのしかった。にしても、なんというかこう、ああいう男子校というようなところで教えるのはイヤだね...。なんだか、生徒が高校生くらいだろうから仕方がないのだけど、野性的というか残酷なことを平気でしそうな野蛮な空気がある。
鳥と教授の関係。鳥 = 教授なのか、それとも鳥は幸せの象徴のようなものか。
やっぱり、映像の構図がとっても素敵だった。ちょっとうれしくなっちゃうくらいいい。
演出もよかった! パフをパタパタやって、ローラが教授を真っ白にしちゃうシーンとかとってもいいかんじだった。
>During filming, although he was still the nominal star of the film (with top billing), Jannings could see the growing closeness between Sternberg and Dietrich and the care the director took in presenting her, and the actor became jealous, engaging in histrionics and threatening to quit the production. The Blue Angel was to be his last great cinematic moment; it was also one of UFA's last successful films.(22)(23) Film historian Andrew Sarris comments on this double irony:
> "The ultimately tragic irony of The Blue Angel is double-edged in a way Sternberg could not have anticipated when he undertook the project. The rise of Lola Lola and fall of Professor Immanuel Rath in reel sic life is paralleled in the real life by the rise of Marlene Dietrich and the fall of Emil Jannings..."(9)(24)
> 22, 23 Baxter, John, 1971. The Cinema of Josef von Sternberg. London: A. Zwemmer / New York: A. S. Barnes & Co. P.74, 75, 63
> 9 Sarris, Andrew, 1966. The Films of Josef von Sternberg. New York: Doubleday P25
> 24 Sarris, Andrew. 1998. "You Ain't Heard Nothin' Yet." The American Talking Film History & Memory, 1927–1949. Oxford University Press. P220
どうやら、最初はスターだったはずのジャニングスは途中から、監督が「推して」 いたのもあってマレーネに「喰われて」 しまってむかついたらしい。サリスは「教授の転落とローラの輝きは現実の状況とうりふたつだ」 と
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ふふ、おもしろい。マレーネは当時29歳だったらしい。当時の価値観でいくと別に若くはない、よね。そんな若くはない女性俳優がスターダムにのし上がっていくのは素敵だね。
>"The tragedy of Immanuel Rath was not that he lost his head over a woman, but that he could not reconcile the loss of power with the acquisition of freedom." When Rath is forced to relinquish "his authority over his students, he sinks into alienated apathy…Rath's failure to grasp the chance opened to him…is portrayed in terms of his increasing silence, as he sinks more and more sullenly into the guise of the ridiculous, ironically named clown…In the end, the authoritarian master of language is bereft of articulate speech", finally erupting into a "paraoxysmic cockscrow" when he discovers that he has been cuckolded by Lola.(34)
> 「イマヌエル・ラスの悲劇は、女性のために頭を失ったことではなく、権力の喪失と自由の獲得を調和させることができなかったことである」。ラスが「生徒に対する(自分の)権威」を放棄することを強いられたとき、彼は疎外された無気力に沈む...ラスが開かれたチャンスをつかみ損ねたことは、彼がますます沈黙し、皮肉にもピエロと名づけられた馬鹿げた装いにますます不機嫌に沈むという形で描かれる...」と。 結局、権威主義的な言葉の支配者は明瞭な言葉を失い」、ローラに寝取られたことを知ったとき、ついに「パラオキシズミック・コックスクロウ」となって噴出するのである。
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そうだよね、やっぱり権力へのしがみつきだよね...。教壇に最後しがみついていたのも、権力を手放せないまま半端に自由を夢見た、みたいに解釈している。
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まじ、それなwwww
おそらくすでに著作権がきれているからフリーで見られる (英語字幕)。
日本語字幕のものは配信がない。