generated at
心づくしの日本語


iNoma
言語化しえないものの話を期待して購入
古典文学古典たらしめる成分について、具体例を豊富に挙げながら見つめられる構成がとてもすき
誰でも知っているような古典作品をあらためて読み、その精神性や、面白さに触れることができる

特に好きだった部分
「あいまいさ」
15p
古代中国に起源を持つ「あいまいさ」と、西洋哲学二元論に基づくあいまいさ
これらが混同されている、という指摘
現代の、「あいまいさ」に対する無関心や無理解につながる

作者のルーツ
15p
東西冷戦のなか青春期を過ごす
ただ一つの正しいイデオロギーを主張する姿勢によって生まれる敵対に触れる
日本古典文学が重んじる中間領域に、安寧を見出す
こういう批評の作品では、作者のルーツによって読み味が変わってくると思うiNoma
この本では、筆者が自身のルーツによる立場を客観視しているのもいい
竹取物語から読み取る、への描写
>物語が、『かぐや姫』物語ではなく、『竹取物語』と呼ばれるようになった
物語の主題は竹取翁にある、という主張
かぐや姫を発見するのが翁であるのは、心の力を目立たせるため
心のない、月からの使徒との対比
求婚者への課題のエピソードでさまざまな人間らしさを描いているから、より強調される