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記号論:『ソシュールを読む』をよむ前の準備としてのまとめ

発信者」が「メッセージ」を作成し、「受信者」が「メッセージ」を解読する際に参照すべき決まり。

メッセージの意味、メッセージとメッセージの関係、言語が発せられた場所や時代の社会環境、言語伝達に関連するあらゆる知覚を意味し、コミュニケーションの場で使用される言葉や表現を定義付ける背景や状況そのものを指す。

人間の言語能力、抽象化能力、象徴能力、カテゴリー化能力およびその活動

ラングLangue
個々の言語共同体で用いられている多種多様な言語体

パロルParole
現実の発話に現れた具体的音声の連続

シーニュSigne( 記号素モネーム)=シニフィアンSignifiant(音素フォネーム)+シニフィエ Signifié(記号内容)

記号素
語彙素形態素に分けられる。
痛い:語彙素「いた」+形態素「い」
chantons:語彙素「chant-」+形態素「ons」

その文化圏でのみ関与的な視点 phonemic(音韻論的)
ある現象を外側から分析する視点 phonetic(音声学的)
*日本語では、兄と弟の区別はイーミックではあるが、英語や英語圏の文化ではエティックということになる。

有契的、無契的 動機づけの有無
有契的な記号と例
イコン(類像):出口を示す矢印
インデックス(指標):黒雲→雨に対するインデックス
無契な記号と例
シンボル(象徴):
赤い→ア、カ、イという音は〈赤色〉と本質的に結びついていない。

*記号にはその意味作用を通じて「同じものとしてまとめる」と「異なるものとして区別する」という一見相反するように思われる機能が基本的な働きとしてある。

父↔母(性の違い)、父親↔息子(世代の違い)、父↔叔父(系統の違い)

man=人間 →性に関して無徴
woman=人間+女性 →性に関して有徴

表示義(デノテーション):rose=バラという記号内容
共示義(コノテーション):rose=バラ+〈愛〉という二重の意味作用

記号を一定の形に配列し、それによってもっと複合的な意味のまとまりを表す仕組み
基底部規則:基本的な五文型(Taro struck Hanako.)  
変形規則:基本文型に変形を加えた規則 (Did Taro strike Hanako?)

時間の流れに沿って記号(語)が一列に並べられる。
→人間の発声器官が二つの音を発しないという身体的な制約や一度に注意を集中的に向けられる対象が限られていることに関連する。
話しことば:音の時間的継起
書きことば:文字の空間的継起

写真や絵の現示性
全体として提示する

テクスト統辞
ひとまとまりの文章 

話す主体がメッセージの生成と解釈に持ち込む「知識体系」
フレーム 関係する人々が平均的に有していると思われる知識。
「スロット(特徴的な項目)」と「フィラー(項目に与えられる具体的な値)」を組み合わせて記述される。
(例)〈母〉のフレーム
スロット:平均的な年齢、性格、教育歴などの母親について常識的に知られている項目
フィラー:それぞれのスロットに対する平均的な値

スキーマ 時間的、因果的な関係に基づいて継起する出来事からなるまとまり
(例)〈電車の利用〉のスキーマ
(料金を確かめる)ー(切符販売機に料金を入れる)ー(切符を取得する)ー(改札を通る)ー(ホームで待つ)ー(電車に乗る)ー(目的地で降りる)ー(改札から出る)
これら一連の過程は一つ一つ言語表現として明示しなくても〈電車の利用〉に組み込まれている情報である。

*テクストはテクスト生産者として関わるか、テクスト解釈者として関わるかによって、生み出される「テクスト」が異なる。

「指示機能」「表出機能」「訴え機能」など自らの外にあるものを狙っての手段と機能するメッセージに対し、「美的機能」では「メッセージ」自らの内にある価値を志向する。



イタロー『精神と自然』にでてきたやつだ!