generated at
自己保存の欲動と力への意志
『善悪の彼岸』第十三章「自己保存の欲動」より(光文社古典新訳文庫)。
光文社古典新訳文庫の訳者中山元はこの断章の註で、スピノザの哲学の中心的な概念は、すべてのものが自己を保存しようとする欲動(コナトゥス)をそなえていることにあると書いている。そしてニーチェはこれに共感しつつも、自己保存だけでなく「それを強化し、活気づける力」があると考えて「力への意志」という概念へと発展させたらしい。
>何よりも生きているものはすべて、自分の力を放出しようとするものである。生そのものが力への意志なのだ──。自己保存はそこから間接的に、もっとも頻繁にうまれる帰結にすぎない。