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人間への関心
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『美しい星』、羽黒の論

p266から論じられる

人間の人間に対する関心

その目立ったあらわれは性欲と思うかもしれないが、性欲は人間的関心ではない。

性欲を抜きにしても、新聞やテレビ、人間同士の話は、人間の話題ばかり。

真の普遍的な、通俗的な興味は人間の問題だ。

政治

・・・

人間の人間に対する関心は、「同じ存在の条件を荷いながら、決して人類共有の苦痛とか人類共有の器官というものは存在しない」という自信の形をとる。すべては老い、病み、死ぬのに、人類共有の老いも病気も死も、決して存在しない、という個体の自信。



『結局俺とおんなじじゃないか』→存在の条件の同一性の確認……A
同時に、
『よかれあしかれ、俺だけはちがう』→個体の感覚的実在の確認……B
と言いたいために、人間は必死に人間を探す。




Aはやがて世界共和国の思想をうむ。
> それが人間の存在の条件の同一性の確認にはじまった以上、その共同意識は、だんだん痛みや痒みや空腹の孤立状態に耐えられなくなる。
>世界共和国の人民は、同時に生れ、同時に老い、同時に滅びるべきではないのか。
全的滅亡の政策



Bは痛みの思想であり、国家主義や民族主義の理念だ。
『どんなことがあっても自分だけは助かる』という奇蹟の確信
危険な実験をはじめる




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全般への関心
個人への関心