>『悲劇の誕生』(ひげきのたんじょう、Die Geburt der Tragödie)は、フリードリヒ・ニーチェによって19世紀(1872年)に書かれた著作。『音楽の精髄からの悲劇の誕生』(Die Geburt der Tragödie aus dem Geiste der Musik)が初版での正式なタイトル。その後の1886年の新版時には『悲劇の誕生、あるいは、ギリシア精神とペシミズム』と改題された。
>・造形芸術をギリシャの神アポロン、音楽芸術をディオニュソスに象徴させ、悲劇(および劇文学)を両者の性質をあわせ持った最高の芸術(文学)形態であるとした。
>・アポロンに理性を象徴させ、ディオニュソスに情動を象徴させた。
>・ディオニュソス的根底にルター、カント、バッハ、ベートーベン、ドイツ精神がつながるとした。
>・三大悲劇詩人ソフォクレス、アイスキュロス、エウリピデスのうち、エウリピデスは悲劇を終わらせ、ソクラテス的な主知主義へと導いた存在であると述べている。
>・ニーチェはこの本の中でリヒャルト・ワーグナーの楽劇に悲劇の再生を見ている。