generated at
『恐れのない組織』読書メモ
恐れのない組織の読書メモ……というより、理解のための要約。
内容の要約と整理を含むため、心理的安全性についてなんとなくさわれるかも。
詳しくは原著を当たって欲しい。
整理中。(文量が多すぎるので削ることも考える)

本書の構成 (はじめに より)
第一部:心理的安全性の概念と研究、なぜ多くの組織で“当たり前”ではないのか。
第一章:初期のパターンと発見(実話) 提唱された経緯
第二章:研究による重要点 心理的安全性の重要性
第二部:ケーススタディ 心理的安全性が(またその欠如が)どのように業績に影響するか
第三章:誰もがわかっていたのに口をつぐんだゆえの失敗
第四章:不安渦巻く組織の中で働くとどうなるか?
第五,六章:心理的安全性を有効に使っている組織の紹介
第三部:“リーダー”は何をすれば、フェアレスな組織を作れるか
第七章:心理的安全性の形成と、再構築について 具体的方法論
第八章:総括と未来について、現行/最先端と、Q&A


> はじめに
現代に働く多くの人はナレッジワーカー(知識労働者)
→産業革命の標準化のように、現代においてアイディアとクリエイティブが文明を推進=価値創造
価値創造のためには、才能の効果的な活用が必要である。 (→心理的安全性が必要)

【本書の目的】知識集約型組織がより効果的に活動するための方法と考え方を伝えること
cmanこれらを自分の中に落とし込むことをゴールとする。
知識労働が真価を発揮するためには、知識を共有したいと思える場が必要/多くの組織にはこれがない
イノベーションには、優秀な人材が力をあわせて活動する必要がある(協働の増加)

本質的に異なるチームほど、心理的安全性は欠かせない
本質的に異なる、とは、金融機関の経営幹部とICUのベテラン医師が全く違う、ぐらい。
研究はグループとチームにスポットを当てている
→現代はほぼ全てが、協働(グループ,チームでの活動)により、相互依存的な判断と行動から価値が生まれる
チーミング=境界を渡り一致協力する技術

心理的安全性は全てを悪化させたり良化させるものではないが、少なくとも確保されている場では「対人関係の不安」に悩まされることがない
=“率直に話す”リスクを取れる /恐れるべきなのは、間違った考えを話すことではなく、しっかりと関与できないこと

フィアレスな(恐れのない)組織 
『知識集約的な世界にあって、対人関係の不安を最小限に抑え、パフォーマンスを最大に出来る組織』

心理的安全性
ざっくり、「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」
これがあることで、(意見が飛び交い)絶え間なく変わり続ける環境への適応が早くなる

【研究の初期段階】医療チームにおける、手術の一致協力の調査
→失敗を研究するつもりで調べたことが、「心理的安全性」の発見につながる
最終的に、新たな研究によって本書で展開する考えを証明する経験的証拠を示した。

「なぜ失敗するか?」「どうすれば上手くいくか?」
これを探ってみて行き詰まったとき、(不可解なデータなどが)心理的安全性によって説明が可能になった
cmanつまり、“良い説明”であるということだ。“良い説明”であることは、往々にして真理に近いと思う――少なくとも、心理学においては。

> 第一部,第一章 土台

【実話を元にした例/ICUで働くナースの話】
早産の双子(ハイリスク児)
ナース・プラクティショナー(診療看護師):クリスティーナ
気づき:肺の発達を促す薬を投与する指示が出ていない
思考:これを担当医師言った方がいいのではないか?
障害:前に同じように疑問を呈した看護師が叱責されていた
行動:無意識なリスク計算の結果、言わないことにした

クリスティーナに何が起こったか?
「未来を軽視する」
未来:乳幼児の健康リスクよりも、近い現実:医師の叱責を重視してしまった
「無意識の演技」を行った
職場において与える印象のコントロール(『行為と演技――日常生活における自己提示』アーヴィング・ゴッホマン)
周囲からのマイナスイメージ(無知・無能・トラブルメーカー)が気を重くする=対人関係のリスクとなる
→大人になるまでに、これらのリスクを回避するため、無意識に操作の方法が身についている

無意識の対策  (cmanこのへんおもろかったのでメモった 成長によってこれを身に着けてくっていうのが)
無知=質問しない
無能=ミスや弱点を認めない
トラブルメーカー=提案しない
社交の場ならいいが、職場では他人に軽視されそうな行動を控えると、重大な問題が起こりかねない
しかし、多くの組織でこれらは習慣化している。

具体例
元Apple幹部ニロファー・マーチャントの振り返り「間違っている」ことを恐れ「何も言わず、傍観する」
重要な問題について上司に話せないと思った経験=85%が1回以上ある(Milliken,F.j,Morrison,E.W,&Hewlin,.P.F.2003)
これは平社員だけではない:電気会社CFO 幹部が買収に乗り気で懸念を話せない→買収失敗後にようやく話せた事例
『ピクニックを台無しにする嫌な奴』だと思われたくなかった、と語る
●何も言わなければ、安全地帯によって自分の身は守れるが、組織を危険に晒すような深刻な問題を引き起こす

心理的安全性があればどうなったか? クリスティーナの例
医師への相談が可能
薬が必要不要の理由を理解
NICUの手順(システム)をより良く変える提案。薬が必要な乳幼児に確実に投与されるように。
○心理的安全性は、職場集団(ワーク・グループ)の中に存在する

率直な発言には、21世紀の仕事を形作る、言葉による無数のやり取りが含まれる。
“率直な発言”は「コミュニケーションがどうあるべきか」を示している
【理解】率直な発言は有益であり、そのためには対人関係のリスクを取れる(そうしても安全だと思える)職場環境が必要
キーワード:率直な“本物のコミュニケーション”
ゴッフマンの研究:“メンツを保つ”→対人関係のリスクマネジメント
(cmanこの項、読者に“心理的安全性のある職場”とその有益性を想像させるための項だな……)

【著者の研究の歴史/初期の発見】
著者の関心:「成功を得るために失敗から学ぶ」こと
大人数グループで医療ミスについての調査研究:筆者は誤り率の調査担当
(cman32pあたりの、このへん、調査手法の解説ですね。論文で言う「方法」のとこ)
専門家(医師,看護師たち)による誤り率(従属変数)の割り出し
→実験者バイアスにかからず、また専門知識により明確であった 【データ収集の独立性】
チーム診断調査(定評のある調査)を多少改変し、医師らに実施

【著者の初期仮説】(当然)高い成果を上げているチームが、最もミスが少ない(誤り率が低い)だろう
収集データの、数値のばらつき /チームによって全く異なる
誤り率:1000患者・日あたりの件数は、最良と最悪で10倍も違う
従業員意識調査(チーム・サーベイ):いくつかのチームが突出して高かった
【データ解析の結果】
誤り率とチームの有能さについて、優位な相関関係
予想仮説と逆に、有能なチームほどミスを多く(!)している

【著者の考え】:“本当に”優秀なチームのほうがミスが多いのか?
考察:ミス無く仕事するには、医師看護師間でのコミュニケーションが必要,ダブルチェックなども。
違和感:“チームワークが優れていればミスの数が増える”は道理に叶わない
ひらめき:有能なチームは“ミスの数”ではなく“報告する数”が多いのではないか?
cmanここ、本当にすごい。“データの表している本質”を考察するの惚れ惚れしちゃう。)

【再度の調査】
自身ではなく、何も知らない(ブラインド)の研究助手を雇う(cmanここすげー偉い!!/実験者バイアスの排除)
結果:「ミスについて話せる」と感じられるかどうかは、チームによって大きく異なる
“ミスを話せる”と感じる度合いは、誤り率と完璧な相関をしていた!
優秀なチームでは、“ミスの可能性”について、率直に話している……
=著者による『心理的安全性』の再発見(ミスを話せる、と感じられるか)

ここから、「対人関係に関する風土、職場のグループでの差、他業界における心理的安全性の影響」を研究し始める。

【著者の研究による発見】
心理的安全性は決して一定ではない
学習行動と客観的なパフォーマンス評価両方を予測するのに重要
心理的安全性と学習やパフォーマンスの向上、死亡率の低下に関連がある
心理的安全性はグループレベルで存在する(医師だけでなく、他業種においても)
心理的安全性は、グループごとのリーダーによって作られる。
cman(これめっちゃ偉いのが、医師からすぐに一般化せず、色々な業種を調べて母数を大きくしてる)
(しかも医師グループでの発見も後から研究で裏付けしてる=確認のための研究調査を行ってるっぽい えら!!)

巨人の肩の上に立つ 研究の紹介
発見や提唱の前例がないのか?→NO
MITエドガー・シャイン教授,ウォレン・ベニス教授(1965 『T-グループの実際/理論』2社より翻訳が出ている)
シャインの叙述:「学習する不安」にぶつかった時、心理的安全性が不可欠である。心理的安全性があれば、自己保身ではなく共通目標の達成に集中できる。

ボストン大学ウィリアム・カーン教授(Kahn,W.A.1990)
心理的安全性が従業員エンゲージメントを高める
実例:サマーキャンプと建築事務所のケーススタディ
エンゲージメントの条件:“仕事する意義”、“心理的安全性”の両方
(cman前者はやりがいが感じられるか、みたいなことかな)
職場で信頼と尊敬を感じている時の方が好意的に見てもらえていると実感する可能性が高い
(cman著者は“職場で信頼と尊敬を感じている”を心理的安全性に置き換えて読んでいる? 元論文次第)

著者の研究
1999の調査研究(Edmonson,A.C. 1999 “Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams”)
心理的安全性はチームによってかなり開きがある
心理的安全性があればチームの学習行動が促され、パフォーマンスも向上する
この結果から、心理的安全性は“職場の個性”ではなく、チーム,グループのリーダーが生み出さなくてはならないもの
どのように強力な企業文化であっても、心理的安全性はグループによって著しく異なる
つまり、心理的安全性の条件を、「上手く作り出せるリーダー」と「作り出せないリーダー」が居る。
――これは、どのような職場であろうと。工場でも銀行でもレストランでもそう。
研究による確信:誰もが、曰く言い難い対人関係のリスクに晒されている。
評価の目によって、無知無能出しゃばりと見られるかもしれない。
→しかし、いっさいを台無しにせずにリスクを克服する方法はある。

複雑で不確実な世界で成功するために必要なもの
【近代と現代の違い】
反復作業の効率(やる気)を高めるのに、不安は効果的だったのかもしれない。
cman産業革命直後などとか、奴隷制度のどうこうとか。鞭持って監視みたいなこと。)
cmanこれ、つまり罰の話……負の強化因子の話では?)
しかし、現代でもマネージャーがそう考えているのは“悪い”
学習や協力をしなければ成功できない仕事で、不安がやる気を引き出す要因になることはない。

【脳・神経科学研究】:不安に寄って学習と協働が阻害される
イワン・パブロフの発見:1924レニングラードの洪水で恐怖を味わった犬たちは、行動課題を学習する能力が抑制された。
この発見をきっかけに。不安と恐怖が扁桃体を活性化することが、神経科学によって明らかにされた。
cmanこのひと、パヴロフの犬のひとだ!!!!!!!)
神経科学の研究 (あとで参考文献見る):不安によって引き起こされること
生理的資源が消費される
ワーキングメモリの管理,新情報の処理をする脳領域に資源が届かなくなる。
資源不足のせいで、分析的思考、創造的考察、問題解決ができなくなる。
結果として、人が感じる心理的安全性が、学習行動に対する積極性を強力に決定することになる。
(cmanそうか?まぁ理論的にはそうなるか……?)

21/9/19時点ではここまで。(39p中盤)