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『ファイアパンチ』
>『ファイアパンチ』(Fire Punch)は、藤本タツキによる日本の漫画作品。文明崩壊後の世界で、消えない炎に焼かれながら生き続ける青年・アグニを主人公とした物語。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)2016年4月18日より2018年1月1日まで毎週月曜日更新で連載された。
>(中略)
>後に『少年ジャンプ+』の転換点として言及される改編「『少年ジャンプ+』新連載春の陣」(2016年4月~5月)において、『終末のハーレム』『彼方のアストラ』などと共に連載が始まった。これを機に『少年ジャンプ+』の主軸は、名実共に『週刊少年ジャンプ』(集英社)電子版からオリジナル作品へシフトし、後の『SPY×FAMILY』『怪獣8号』のヒットへと繋がっていく

藤本タツキの初連載作品。ポスト・アポカリプスもの。
藤本タツキはインタビューの中で、「物語のジャンルが変わるような作品を描きたい」と思っていたと語っている(「ファイアパンチ」藤本タツキインタビュー|コミックナタリー)。
>僕は物語が展開される中で、ジャンルが変わるというか、読者が事前に予想していた展開からまったく別の方向へ進んでいくマンガを作りたいと思っているんです。映画なら「ゴーン・ガール」、アニメでいうと「魔法少女まどか☆マギカ」「がっこうぐらし!」「ハイスクール・フリート」なんかがそうですかね。

一巻毎にジャンルを変えようとしたらしい。
>藤本 1巻は復讐劇みたいに始まりますけど、2巻ではその第1巻を否定して、ギャグマンガにしたかったんですね。
>(中略)
>――では、3巻は?
> 藤本 否定の否定、ではないんですけど、3巻では2巻を否定したかったです。

そのために持ち出されたテーマが「演技」だったんだろう。主人公は祝福と呼ばれる生まれながらに奇跡が使える能力者であり、また主人公の祝福は「再生」であるため、深い傷を負っても治癒していく。そして第1話で、朽ちるまで消えない炎を放つ祝福者によって住んでいた村を焼かれ、大事にしていた妹も焼かれてしまうのだが、主人公は死ぬまで消えない炎に包まれながら生きながらえる。主人公は消えない炎に終始苦しみを感じながらも生きるために「復讐者」を演じていたことが明らかになる。
> 「ルナ(妹)が幸せに生きる事だけが俺の糧だったからドマが残酷に死ぬ事を俺は糧にするしかなかった」
>「だから俺は生きるために…復讐者を演じるしかなかったんだ」
>「俺はこの世界に負けたくなかったんだ」(3巻)
このような形で登場する主要人物はそれぞれみな異なった形で何らかの「演技」をしている。バトル要素だけでなく、このような哲学的(と巷では言われている)な要素が『ファイアパンチ』では大きな魅力の一つとなっている。
色々な役を演じ続けることで自分が分からなくなるというような展開も含まれている。「本当の俺ってどれだっけ?」(6巻)
>「自分が何者かは他人に評価されて初めてわかるのです」(7巻)
>「私は長く生きて多くの役を演じて少しだけわかりました 人はなりたい自分になってしまう…」(8巻)

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