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「もし市民がお互いに意志を伝えあわないなら」という訳文
『社会契約論』の岩波文庫の邦訳(『社会契約論』第2編第3章)に出てくる訳文

原文
>les Citoyens n'avoient aucune communication entre eux
>(市民たちがお互いにcommunicationを持たないならば)

平林初之輔訳
>市民の間に連絡がないならば(即ち市民が徒党を結んでいないならばの意)

訳文中の「意志」という語
原文に「意志 volonté」の語はないので、使わない方がいいのではないか久住哲
どうして翻訳者は「意志」という語をあえて使ったか?の予想
ここで共有(communication)されるのはお互いが持つ情報ではなくお互いの意向だから久住哲
むしろ情報は「十分に与えられている suffisamment informé」
意向の共有は、一般意志が生まれることにとって阻害要因になる
これは常識的にも頷けそうなこと久住哲
いわゆる忖度
意向を共有した団体が「徒党」「部分的な結社」
意志は利益と絡むから久住哲
意志を伝えあうということは、お互いが狙う利益を伝えあうということ
人びとが示し合わせて同じ利益を狙うと本来その人びとの間にもあった特殊意志の差が無効化される